事故/事件・クラウド・SOX法対応など企業のセキュリティ事情を徹底調査
1 機密データは社内に保管する企業が6割以上
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/12/01/nrisecure/index.html
NRIセキュアテクノロジーズは11月26日、東証1部・2部上場企業を中心とする804社の企業の回答をまとめた情報セキュリティに関するアンケート調査結果を分析した「企業における情報セキュリティ実態調査2009 報告書」を発表した。ここでは、同報告書のポイントをいくつか紹介したい。
機密データを社内、社外のどちらで保管しているか?
機密情報や重要情報が記載されている電子ファイルの保管先を問う質問に対し、半数以上の企業が「現在内部で保管しており外部保管をしない方針である」と回答しており、内部で保管する傾向が高いことがわかった。
一方、「すべて外部に保管している」、「一部を外部に保管している」を合わせた「外部に保管している」と回答した企業が約3割と、組織内で保管することにこだわっていない企業もある。外部保管を実施している・検討している理由のトップは「事業継続性の確保」で、「コスト削減」と回答した企業はその3分の1だった。また、内部保管よりも外部保管のほうがアクセス制御ができ、安全性が高いという回答も3割近くあり、セキュリティを考慮している企業も多いようだ。
機密情報・重要情報の電子ファイルの保管に関する現在の状況と方針に最も近いものは? 資料:NRIセキュアテクノロジーズ
情報セキュリティ対策を実施する際に困っている点は何か?
情報セキュリティ対策の実施にあたって困っていることや問題になっていることを尋ねる質問では、上から「他社と比較した自社のセキュリティレベルがわからない」、「対策をどの程度まで実施すればよいかわからない」、「対策の有効性の評価方法がわからない」という回答が出た。2008年と比較すると、1位と2位が入れ替わっている。
同社では、2008年の調査結果として各項目の回答率は減少しており、情報セキュリティ対策の適切な実施レベル・有効性・効果が見えてこない状況に対し、多くの企業が試行錯誤を重ねているのではないかと推察している。
情報セキュリティ対策の実施にあたってどのようなことに困っているか? 資料:NRIセキュアテクノロジーズ
2 期待が大きい一方、不安も小さくないクラウドコンピューティング
日本版SOX法の対応はどこまで行われているか?
同調査では、日本版SOX法(金融商品取引法)、ISO/IEC 27000(ISMS適合性評価)など、情報セキュリティ関連の法律・基準・標準にどの程度対応しているかについても尋ねている。
日本版SOX法は、IT業務処理統制・IT全般統制ともに半数以上が対応済みという回答が得られた。ISO/IEC 27000は、「対応済み」という回答した企業よりも「対応を検討中」と回答した企業のほうが多い結果となった。
情報セキュリティ関連の法律・基準・標準にどの程度対応しているか? 資料:NRIセキュアテクノロジーズ
クラウドコンピューティングに対する期待、不安は何か?
クラウドコンピューティングに期待していることを問う質問(3つまで回答可能)では、上から「運用負荷の軽減」(50.4%)、「初期コストの低さ」(42.7%)、「社内ITリソースの削減」(40.7%)、「構築費用の削減」(34.8%)という回答が得られ、運用負荷の軽減とコスト削減に対する期待が大きいという結果が出た。
一方、「常に最新のハードウェアやソフトウェアが利用できる」(22.7%)、「可用性や情報セキュリティの向上」(19.3%)といった機能面に期待する企業は、コスト削減や運用負荷軽減に期待する企業に比べて少ない。
また同調査では、クラウドコンピューティングについて不安に感じることについても聞いている。その回答の上位3つは、上から「問題発生時に事業者がどこまで対応するかがわからない」、「事業者の倒産や撤退によってサービスが停止するおそれがある」、「事業継続性がどこまで確保されるかがわからない」となった。
そのほか、「他のユーザーとリソースを共有することで、第三者に情報が見られてしまうおそれがある」と、クラウドコンピューティングの本質的な問題点を懸念している企業も4割近い。
同社は上記の結果を踏まえ、今後サービスプロバイダーによる情報開示の進展など、クラウドサービス利用に向けての環境整備が行われ、利用者が適切な判断ができるようになることが望まれるとしている。
クラウドコンピューティングについて不安に感じる点は何か? 資料:NRIセキュアテクノロジーズ
景気後退は情報セキュリティ投資にどのような影響を与えたか?
IT関連投資、情報セキュリティ関連投資に関する意向は、「ほぼ同額となる」と回答した企業が最も多く、IT投資で35.5%、情報セキュリティ関連投資で44.4%を占めた。昨秋からの景気後退の影響により投資を増やす企業は減ったが、現状を維持する企業が多い結果となった。
IT投資、情報セキュリティ投資の一方のみが増減する傾向は見られないが、情報セキュリティ関連投資のほうが「ほぼ同額となる」と回答した企業の割合が多く、また「減る」と回答した企業の割合の合計も少なくなっている。
業種別に見ると、製造業を除く全業種で、35%~45%が「ほぼ同額となる」と回答している。一方、製造業は「かなり減る」、「大幅に減る」と回答した企業の割合が最も多く、全業種中唯一、半数以上の企業が投資を減らすと回答している。
一方、「銀行・証券・保険など」、「小売」、「医療・教育・研究機関など」では、「大幅に増える」、「かなり増える」、「小幅に増える」と回答した企業の割合が30%以上と、他業種よりも多い。
本年度のIT関連投資とセキュリティ情報関連投資を昨年度と比べると? 資料:NRIセキュアテクノロジーズ
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