オペレーショナルリスク管理と内部監査 明確な根拠に基づく『内部監査』支援
オペレーショナルリスク管理の実効性を高めるために、多くの企業でリスク管理部門に人的資源を集中している。実務面からはITを活用した「リスクの見える化」「プロセスの改善」「情報の共有・連携」が必要不可欠だ。日立ソフトウェアエンジニアリングの長濱氏のセッションは、同社の金融機関向け内部監査ソリューション「監明」のコンセプトをもとに、金融機関でのオペレーショナルリスク管理、リスクベースの内部監査などについて述べ、他の業界においても参考になりうる内容を盛り込んだものとなった。
http://enterprisezine.jp/article/detail/1846
年々厳しくなる金融機関を取りまく法令環境
日立ソフトウェアエンジニアリングの長濱敏寛氏のセッションは、オペレーショナル(業務)に起因するリスク(オペリスク)管理と内部監査をキーワードに、金融機関が置かれている環境の概説で始まった。金融機関では特に個人情報保護法施行以降、犯罪収益移転防止法や金融商品取引法・J-SOX法など、重要な法令・ガイドライン等が大きく業務にかかわってきている。そのため大きな経営ニーズとなっているのが経営効率化、資源の集中、リスク管理、IT全般統制、つまりスリム化とリスク対策だ。
業務体制を見ると、多くの金融機関でアウトソース化が進展しており、規則の厳格化、法令遵守、情報管理などコンプライアンスとリスク対策が急務となっている。
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 金融システム事業部 金融ソリューション本部
金融ソリューション推進部 チーフコンサルタント 長濱 敏寛 氏
情報システムの現状では、勘定系、国際系、外接系などの基幹系は共同化の流れができあがっている。その信頼性は高いと言っていい。一方、数百あるといわれるサブシステムは個人情報保護法以前に作ったシステムが多く、危険な状態にあるようだ。
金融庁は2009年8月、本年度の検査基本方針を公表した。重点方針を見ると、信用リスクと同時にオペリスクの管理を重視する傾向が出て来ている。一方、2008年8月に日本銀行が出した調査レポート「システム外部委託の現状」では、金融機関のアウトソースに関する認識が甘いと指摘している。要約すると「業務を委託しても、責任は金融機関に残る。委託先のことは分からない、は通用しない」という論調だ。
J-SOXについては、地銀クラスでは最終的に決算書を作成する直前の集計作業を、総合企画部門の主計担当者がエクセルシートで行っているケースが多い。そこはある意味統制が効いていないということで、二年目は各監査法人がメスを入れる方針のようだ。
求められる内部監査を支援するソリューション
長濱氏は「金融庁の金融検査マニュアルを読み解くと、事務事故管理や顧客サポート、自店検査などにおけるリスク情報を連携し、統合的な監査を実施することを求めていることが分かる」と語る。日立ソフトウェアエンジニアリングの「監明」は、その内部統合監査をサポートするために開発されたソリューションだ。
金検マニュアルでは事務事故管理における管理者の役割と責任の要点として、事故の報告体制の確立、事務事故のモニタリング、事務リスクのアセスメントと規定・体制の見直しの三点を挙げている。「監明」における事務事故処理の流れは以下の通りだ。事務事故が発生すると担当者が情報を入力し、役席と所属長が確認する。承認されれば主管部にデータが流れ、ここでも承認されれば発生情報は受付されて登録される。その後、顛末情報を事故発生店で入力し、役席
と所属長、主管部の役席と所属長が承認するという流れだ。
ここでのポイントは、最初に発生情報を入力した時点で、主管部でも情報を把握することが可能ということだ。登録された事故情報は蓄積され、統計分析が可能になる。分析のために各種集計表や推移表など標準テンプレートが用意されているほか、各金融機関のニーズに即した集計表や独自の視点による分析表を作成し、定型照会として登録することもできる。
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