「J-SOX効果で会員数の伸びも規模も東京が世界一」、ISACA東京支部会長
「ISACA(情報システムコントロール協会)東京支部の会員数の伸び率は、2年連続世界ナンバーワン。その結果、2008年6月に会員数が支部の中で世界最大となった」。システム監査やITガバナンスの専門家団体であるISACAの東京支部会長を務める太田均氏(写真)は、こう明かす。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090219/325137/
ISACAは米国本部と、70カ国にある175以上の支部で活動。日本には東京、大阪、名古屋という3つの支部がある。09年1月末で、東京支部の会員数は2999人。06年から07年にかけて464人、07年から08年にかけて635人と、右肩上がりに会員数を増やしている。支部の規模をみても、2位の英ロンドンが2678人、3位の米ニューヨークが2460人(いずれも09年1月末時点)で、東京支部の大きさがわかる。
ISACAはシステム監査の認定資格「CISA(公認システム監査人)」の取得者などで構成する組織。CISAのほか、情報セキュリティの認定資格「CISM(公認情報セキュリティマネージャー)」、ITガバナンスの専門家の認定資格「CGEIT(サーティファイド・イン・ザ・ガバナンス・オブ・エンタープライズ)」などの試験を実施。加えて、米ITガバナンス協会(日本では、日本ITガバナンス協会)とともにITガバナンスのフレームワーク(評価体系)「COBIT」やIT投資管理のフレームワーク「VAL IT」を作成している。
システム監査やITガバナンスはこれまで、日本ではなじみが薄い存在だった。なのに東京支部が世界最大規模になった理由を、太田会長は「日本版SOX法(J-SOX)をきっかけに急速に注目が高まったから」と分析する。
J-SOXでは、財務報告の作成プロセスで利用しているシステムは監査の対象になる。そこで監査法人のシステム監査担当者やコンサルタント、監査を受ける側であるJ-SOX対象企業のシステム監査担当者の受験が増えたようだ。「東京だけでなく、名古屋、大阪も急速に会員数が伸びている」(太田会長)という。
08年12月には、日本を含む全世界でCGEITの第1回試験を実施。「CISMよりも初回の認定者が多かった」(太田会長)。CISMを日本で開始した際の認定者は約60人だったが、CGEITは71人いた。この結果から、太田会長は「ITガバナンスも今後、日本で浸透していくのではないか」とみる。
CISA、CIMS、CGEITといった資格試験のほか、ISACAの各支部では認定資格を維持するために必要なシステム監査や情報セキュリティマネジメントをテーマに月1回の勉強会を開催している。このほかに北米やアジア太平洋といった地域別の年次大会を開催。今年は大阪支部が中心になり09年2月23日と24日に、「Asia-Pacific CACS 2009」を京都で開催する(関連記事)。
CACSは昨年、オマーンの首都マスカットで開催。日本では01年以来、8年ぶりとなる。海外からの参加者も1割程度いるという。太田会長は「米国からだけでなく、韓国や香港といったアジア諸国からもスピーカーが来る。ISACA会員以外にも参加してほしい」と呼びかける。
太田会長は「経済環境を受け、米国では人員削減が進んでいる。だがシステム監査といった、監査部門の人員はその影響を受けてないと聞いた。企業にとって監査部門の重要性が増しているあかしだ」とシステム監査や情報セキュリティの重要性を強調する。ISACA東京支部は2月に入ってからも「会員が約100人増えた」(太田会長)状況。ますますシステム監査やITガバナンスに注目が集まっているようだ。
(島田 優子=日経コンピュータ) [2009/02/19]
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