「今後企業はあらゆるデータの取得が求められる」--ソレラネットワークス CEO シリングフォード氏
厳しいと言われる米国のSOX法。緩和する動きもある中で、ある分野ではさらに締め付けが厳しくなっているという。今後、企業は「ログ」を取得しているだけでは、こうした動きに対応できなくなってくる可能性があると指摘するのはソレラ ネットワークス 会長 兼 CEO スティーブ シリングフォード(Steve Shillingford)氏だ。「あらゆるデータを取得する」というアプローチが生まれた背景、その必要性について、シリングフォード氏と同 CTO ジョー レヴィ(Joe Levy)氏に話を伺った。
≫【特別企画】ITキーパーソンインタビュー (09/01/28)
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あらゆるデータを取得できることの強み
ソレラ ネットワークス
会長 兼 CEO
スティーブ シリングフォード(Steve Shillingford)氏
ソレラ ネットワークス
CTO
ジョー レヴィ(Joe Levy)氏
──まずはソレラネットワークス(以下、ソレラ)について、どのような企業か教えていただけますか?
シリングフォード氏(以下、S氏) パケットキャプチャソフトウェアに強みを持つ、ネットワークフォレンジックを手がける企業です。米国では複数の連邦政府、80以上のISP、学術機関など、日本ではKDDIやNTTといった大手通信キャリア、東京工業品取引所、商社、損保などで数多く利用されています。
──昨今は日本でもSOX法などの流れを受けて、ログ管理分野も大きく注目されています。ソレラが提供する製品もログ管理製品ということでしょうか?
S氏 まず、一般的なログ管理製品とまったく違う点は、ネットワーク上の“あらゆるデータを取得できる”ということです。ログ、というネットワーク上を流れる一部のデータだけでなく、不完全な取得元データやディープパケットなど“すべて”です。その意味で、ログ管理製品というよりも、ネットワークフォレンジックを目的としたキャプチャソフトウェアを提供している企業だと自負しています。
レヴィ氏(以下、L氏) 日本では、これはセキュリティの製品、あれば内部統制の製品、などと切り分けたがる傾向がありますが、本質的ではないと思います。現在の情報システムは、さまざまな分野が密接に絡み合っている状況にあると思います。
──日本では、米国のSOX法は非常に厳しいと言われています。本場米国では、こうした見方を受けて、少し揺れ戻しも出ていると思いますがいかがでしょうか?
S氏 確かに米SOX法が厳しいという見方もあります。その一方で、実はさらに厳しくなっている点もあります。米国は訴訟社会で、データは訴訟の証拠として非常に意味のあるものとなっており、完全性(インテグリティ)も求められています。もし、データをきちんと保管しなければ、多大なコストを支払わなければならないケースも多発しています。
──日本は訴訟社会ではありませんが、あらゆるデータを取得していく必要はあるのでしょうか?
S氏 確かに米国でも、かつてはあらゆるデータを保管しておく必要性に懐疑的な見方がありました。必要なものだけを取得しておけばいい、という意見です。しかし、たとえば企業システムで何か問題が発生した際、ログを追跡するだけで、どういう障害が発生したのかをきちんと再現できるでしょうか?システムは複雑に絡み合い、実際に問題があった個所を特定するのも困難な状況です。有事の際、情報システム部門は、まず経営者に対してどういう問題がどのようにして起きたのかを説明する必要があるのは、日本でも変わらないはずです。
L氏 自動車を考えてみてください。今は、ただ運転できればよいという時代ではありません。安全のためにエアバッグを搭載したり、目的地に容易に到達できるようにカーナビを備えたり、そうした数多くの付加価値があって、自動車は選択されています。ITで考えれば、かつてはファイアウォールだけで企業のセキュリティが守られると考えていた時代から大きく変化しています。こうした変遷と同じことが起きるだろうと思います。
──あらゆるデータを取得していくとなると、膨大なデータ量を保存し続ける必要があるのでしょうか?
L氏 一体どれくらいの期間データを取得すればよいのかという質問は、多くの方がお持ちの疑問だと思います。もちろん、業種によって、企業によって、また予算などによって、まったく違うと言えます。しかし、あらゆるデータを取得しておくべき期間、というのは実はそんなに長いと考えていません。ソレラのお客様の例で、最大でも3か月程度です。というのも、あらゆるデータを取得しておくのは、問題解決や問題発生原因を特定するためのものです。何か障害が発生して、1営業日経っても気付かないという企業はほとんどないはずです。それまでのデータだけ取得し、その後、必要に応じてメールや業務データなどは別途アーカイビングしておけばよいのです。
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