日本企業が直面する危機とは何か
防犯、防災の両面から“安全・安心な街づくり・社会づくり”を実現する機器・システム・サービスを一同に会した「セキュリティショー2008」が去る3月4日から7日まで東京ビッグサイトで開催された。
期間中、著名人による講演やトークショーが「セキュリティステージ」という特設ステージで行われたが、その中から、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の野口悠紀雄氏による講演「日本企業が直面する“危機”とは」についてレポートする。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/special/285/
文/吉村克己、写真/新関雅士
2008年3月17日
本日は企業における危機管理、内部統制の問題についてお話ししたい。
1980年頃からアメリカでこうした問題に関して議論されてきたが、そのきっかけはS&Lという住宅金融を手掛ける金融機関の破たんだった。80年代に多くのS&Lが経営危機に陥り、企業内部の危機管理が重要ということになったのだ。
その際、議論の基本となったのは米トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)が発表した「COSOフレームワーク」という内部統制のフレームワークだった。
その結果、アメリカでは企業会計や財務報告の透明性・正確性を高めることを目的とした「SOX法」(サーベンス・オクスリー法)が施行された。日本でもSOX法を元に「金融商品取引法」が生まれた。
特に内部統制の問題が大きな注目を集めるようになったのは2001年のエンロンの破たんである。エンロンは総合エネルギー取引企業として先端的な金融技術を駆使しているといわれていたが、実は巨額の不正経理や不正取引などの行為を行っており、破綻に追い込まれた。
アメリカの伝統的発想からいえば、内部統制はかなり異質な考え方だ。というのも、それまでは企業の内部は財務諸表を見ていればいい、投資家はそれで企業を判断すると考えられていたからだ。
ところが、エンロンの複雑な金融技術を使ったシステムは財務諸表では見抜けなかったのである。
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